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最近では、デジカメの動画撮影能力も随分と強化されて、ビデオカメラ並の機能を持った物も多く、両者の境界が曖昧になりつつ有ります。以前は、動画の膨大な容量を記録出来るメディアがビデオテープしか有りませんでした。このため、動画を撮影して、ビデオテープに記録出来るかめらが、ビデオカメラだったわけです。さらに、以前にはカメラとレコーダーが分離していましたが、一部の専門的なカメラを除けば、現在では一体型のビデオカムレコーダーが一般的です。
しかし、メモリメディアの容量増加と、記録速度の向上、高圧縮のデータ保存形式の開発により、テープを記録に使わないデジカメでも、動画記録が可能となりはじめます。現在では、ビデオカメラにもSDカードなどのメモリメディアが浸透し、テープメディアを使用するビデオカメラは、一部の業務用途に限られた状態です。ゆくゆくは絶滅してしまう事と思われます
デジカメでも、ハイビジョン撮影が出来、PVや映画の撮影にデジタル一眼レフが使われる昨今、ビデオカメラの旗色はよく有りませんが、あえて違いを上げるとすれば
などが上げられますが、一部のコンパクトデジタルカメラでは、NDフィルターを搭載したモデルも有り、ますます境目が曖昧となっています(NDフィルターの効果についてはこちら)。一秒間に何コマ記録するかを表すフレームレートについては、既にデジタル一眼レフでも60コマ/秒の製品登場しはじめているので、優位な点では無くなり始めています。
EUでは、2007年度より、解像度800x600 ピクセル以上、23fps(フレーム/秒)以上、動画の連続録画時間30 分以上という3つ基準を満たしていればビデオカメラとみなし4.9%の関税を課しているので、これも一つの基準と言えるかもしれません。当たり前ですが、記録メディアによる区別は行われていないようです。
ビデオカメラは、大きく分類すると、放送用、業務用、民生用の3ランクに分けられる。放送用はテレビの制作用に使用されるカメラで、最高の技術を盛り込んだビデオカメラの王様。業務用カメラは、下位のテレビ制作や、ブライダル等の記録撮影に使用されるカメラ。民生用カメラは、家庭で使用するレベルのビデオカメラとなります。個人で使用されるのは、民生用から下位の業務用ビデオカメラまでで、実際には、上位の民生用カメラが、業務用途で使われたり、下位の業務用カメラが、個人で使用されたりすることはよく有ります。
このため、厳密に、このカメラは仕事では使わないなどの区別は無いが、業務用カメラには、マイクやミキサーと接続するためのキャノン端子が装備されており、マイクへ電源を供給するファンタム電源などの機能が装備されている。下位の業務用ビデオカメラは、上位の民生機にキャノン端子を装備しただけのものも多く、音声を外部から入力しなくてもよい場合には、上位民生機でも問題無ありません。
ビデオカメラは、放送用の機種を除けば、肩に担ぐ肩乗せタイプか、手に持って使用するハンディーカムの二種類に大別出来ます。肩乗せタイプの機種になると、多くはレンズ込みで100万円以上するので、一般的では有りません。一部低価格機種も有りますが、最近では、ビデオカメラの小型化が進み、よっぽど肩乗せにこだわるユーザーか、見栄え上肩乗せでなければ困る場合でなければ使用するメリットは少なくなってきています。業務用のカメラでは、ハンディーカムで有ったとしても、レンズや本体の操作を旧来の片載せタイプと合わせ、操作の混乱を防ぐ傾向が有ります。このため、インターフェイスなどは、やや旧態依然としている傾向がありますが、機種ごとに操作感が全く違う民生機には、操作上の混乱がつきもので、これはこれで問題です。
家電量販店で扱われているビデオカメラもほぼ100%ハンディーカムであり、一般的にビデオカメラ=ハンディーカムと認識しても問題ないと言えます。このようなハンディーカムをさらに形態で分類するとすると、ヨコ型とタテ型に分類出来る。
ヨコ型ビデオカメラ
ハンディカムの代表的な形態で、普及機から高級機まで、全てのランクにラインナップされています。デザインに無理が無く、カメラとしての取り扱いも容易。ただし、HD化の進む昨今のビデオカメラでは、上級機を中心にハンディカムの限界に挑戦するかのような大型のカメラが登場しており、ヨコ型のデザインとあいまって非常に前が重たい機種が多い。無理せずに肩乗せ型のデザインにするべきでは無いかと思いますが、なぜかハンディーカム型のデザインが多くなっています。肩乗せ型で有れば、肩と腕で重量を分散出来るので、多少重たいカメラで有っても長時間撮影出来ます。ただし、肩乗せ型のデザインのカメラの中には重量バランスが悪く、大半の重量が腕にかかってしまう機種も有り、形に騙されないようにしなければなりません。
タテ型ビデオカメラ
一時期、コンパクトビデオカメラとしては、ヨコ型よりも優勢でしたが、現在はタテ型の機種は減っています。鏡筒下側にテープを入れるレコーダー部が有るため、DVテープを使用するDVカムの時代には、ヨコ型よりも小型な機種が多くラインナップされていました。メディアがテープからSDカードなどに変わり、ヨコ型でも十分小型となった現在は、サイズ的なメリットよりも、デザインの好みの問題のように思われます。
好みの問題も有るので、一度両方のタイプを触ると良いでしょう。タテ型だからといって特に不便は感じませんが、テープメディアのカメラの場合は、テープ取り出し口が下部に有って、三脚に取り付けてしまうとテープの取り出しが出来ない機種も有って不便でした。テープメディアのカメラが絶滅危惧種の現在、このような心配は無用ですが、よりハンディー撮影を意識したデザインなのが、この点からも理解出来る。
アイピース
ビューファインダーを覗くときに顔との隙間を塞ぎファインダーを見やすくするアイテム。顔とファインダーが接触したときに怪我をしないための役割もある。ビューファインダーをあまり使用しないためか、普及機では、お座成りなアイピースしか装備されていないが、やはり、ある程度の大きさは有ったほうが良い。
アクセサリーシュー
マイクや、ライトを装備するための取り付け金具。スチルカメラのフラッシュ取り付け部と同じサイズなので、それぞれのアクセサリーをやり取り出来る。最近は、一回り小型のシューが登場して、今までのアクセサリーを取り付けられない場合が有るので、要チェック。
液晶モニター
この10年で非常に進歩した部品の1つで、昔は直射日光が当たると全く見えなかったが、最近の液晶モニターは明るさも明るくよく見える。ソニーのビデオカメラでは、タッチパネルを採用している機種が多いので、液晶画面を使って、様々な設定を行う。
キャリングハンドル
小型の普及機では装備されている機種が少ないが、少し重量の有る機種では、キャリングハンドルが有る方が便利。子供や、動物を撮影する場合に、低い位置から撮影した方が良いがこういった場合にもキャリングハンドルは威力を発揮する。
鏡筒
レンズを収める筒状の部分。小型のビデオカメラでは、本体と一体化してしまっていて、区別の付かないものもあります。高級機では、鏡筒部分に、ピントリングや、ズームリングを装備しているものも多く、非常に操作しやすい。
ズームレバー
レンズの焦点距離を変化させるレバー。高級機では、ズームを操作するためのリングを装備するものも有るが、ピントリングほど必要では無い。 素早いズーム操作には、ズームリングが必須です。
内蔵マイク
ビデオカメラの内蔵マイクは、初心者でも音の取り逃しを防ぐために無指向性のマイクを装備している場合が多い。無指向性のマイクは、マイクを中心として全周囲の音を均等に録音するタイプのマイクで、カメラの向いている方向の音を重点的には録音してくれない。無指向性のマイクは音源との距離と音の大きさでしか強弱を選択出来ないので、基本的には音源に近づく意外に音を大きく録る方法は無く、運が悪いと撮影者の発する音だけを拾ってしまう。オプションで指向性外部マイクを購入すると、カメラ前方からの音を重点的に録音出来る。
バッテリー
解説するまでも無いが、カメラを動かすバッテリー。一昔前までは、普及機でもかなりの動作時間を誇る機種が多かったが、最近では、数時間程度に抑えられている機種が多いようだ。そのため、一日撮影しようと思うと、予備バッテリーが必要となる。
ハンドストラップ
手を通して、使用するストラップ。首から下げるストラップは単にストラップまたはネックストラップと呼び区別される。手のサイズに合わせて締め付け具合を調整出来る。
ビューファインダー(ビューファー)
EVFなどと呼ぶ場合も有ります。覗き込んで映像を見て構図の調整など、様々な操作を行う部位ですが、スチルカメラと違い、ビデオカメラでは、内部に液晶モニターを装備する液晶ビューファインダーが多い。最近では、ビューファインダーを持たない機種も多く、装備されていてもお座成りなものが多い。特に、内部の液晶モニターが小型な場合、付いていないよりは・・・といった程度。屋外などで、直射日光が当たる条件では、液晶画面が見にくく、有ったほうが便利。
ピントリング
ピントを合わせるために操作するリング。最近では、高級機や、マニュアル操作を重視した一部の機種にしか装備されておらず、絶滅危惧種となっている。タッチパネルや、ジョイスティック、ダイヤルなど、代替の方法でマニュアルフォーカスが可能な機種は多いが、ピントリングと比べると操作感に劣る。
レンズフード
逆光などの条件で、レンズに光が当たると、フレア(光がレンズに当たる事によって生じる虚像)などの現象が起こりやすく、フードはこれを防ぐアイテム。また、レンズに指が触れるなどの事故を防ぎレンズを保護してくれます。特別にフードが悪影響を及ぼさないのであれば、レンズフードは外すべきでは有りません。
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